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05
唯今の時刻1時半。
全員が青ざめた顔をして跡部の部屋に集合している。

「・・・と、言うわけなんです。ですから皆さん、力を貸してくださいませんか?」

は今まで起こったことを一言一句漏らさぬように伝えた。
見渡すメンバー全員が青白い顔をしていたのでとりあえずはその場面を写真におさめた。
もちろん跡部に張り倒されたましたが。

誰もが口を閉ざすなか夢ちゃんが口を開いた。

「言ってなかったんだけどね・・・一度この家にはいっちゃうともう出られなくなるんだよ。・・・皆を止めたら・・・出られるようになると思うんだけど・・・」
「げぇ!!ありえねぇ」
「クソクソ、それマジかよ!?」
「お嬢ちゃんでっかい爆弾落っことしてくれたわ〜」
「うわ〜それもっと早く言ってほしかったC〜」
「さっき確認しましたけど携帯電波立ってなかったですよ。」
「結局何もせずにここから逃げ出すことは出来ないってことですね?」
「ウス」

「ふん、上等じゃねぇーの!」

「さっきはビビッて何も出来なかったくせにずいぶん偉そうだなべの野郎は。・・って!いでででででで暴力反対ですよ!!」
「あーん、てめぇーなんかいったか?」
「めめめ滅相もございませんよ!さっすが天下の跡部景吾様、勇気があるし行動力もあってまっことに素晴らしい殿方だといっただけです! 同じ人間なのに下半身野郎のオッシーとは全然違うなと思っただけです!」
「なんでそこで俺がでてくんねん!しかも下半身野郎って酷い言われようや!」
「当たり前じゃねぇかよ。あんなんと一緒にしてんじゃねぇ。」
「えぇ!!跡部むごい!俺が何したちゅーんじゃ!」
「うるさいですよ先輩。いくら盛り塩で結界を張ってるからってそんな大声出したら見つかりますよ。」
「コレだから下半身野郎は!」
「なんで!?」
「ごめん俺フォローできねぇ・・・」



ともかく結果的に、ここから出るためにも全員で3体の霊と戦うことが決定した。
しかし相手はあの跡部や忍足ですらガクブルっちゃうような奴等である。にわかに「おいやっつけちゃおうぜテーイ☆」なんてできるわけがない。
ここはしっかりと計画を立てねば!と誰もが思っているだろう中、だけは口に出したら即行動の勢いで鼻息も荒く走り出そうとした。そんなを慌てて押さえつける鳳と日吉。

「先輩、あんまり勝手な行動はしないでくださいよ。蹴り入れますよ。」
「まずは計画を立てないと!呪っちゃいますからね?」
「ちっ、ヘイヘイわかりました。でも私いつまでも待ってるだけの女じゃありませんよ?グイグイ行きたい! そろそろグイグイ行きたい気分だよ!ね、リョータン?」
「長太郎そいつちょっと黙らせろ。」
「はい。先輩、逝きたいんですか?」
「ううん。私逝きたくはないよ。どこにも。むしろあなたの胸の中に一生いてぇです。」
「じゃ黙りましょうか?」
「ブラジャー」


「具体的にどうすればお前が言うところの助けることができんだ?」

跡部が夢ちゃんを見た。

「・・・それは私も分からないんだけど・・・お兄ちゃんがねとっても大事にしてるものがあるんだ。
見たことはないんだけど、隠してるのどこかに。
あんまりにも大切にしてるから、もしかしたらそれに皆を助けられる ナニカがあるかも!」
「・・・たしか兄ちゃんを倒せば他の奴等も消えるんだったな。」

「それなら2チームに分かれて屋敷の中を捜索しよう。そのお宝を探してな。」

チームわけはまたしてもじゃんけんで決めることとなった。
1階→忍足・鳳・宍戸・・夢ちゃん
2階→跡部・向日・日吉・樺地・芥川
というチームわけになった。
と同じチームになった者たちはすこぶるご機嫌斜めだが、ここでごちゃごちゃ言っても始まらないとラケットを手にいよいよ立ち上がった。

「ウダウダ探しててもしょうがねぇからな、一時間後収穫があってもなくても一度ここに集合だ。全員武器になるかもしんねぇからラケットは持ってけ。」
「あ、皆さんちょっとラケット貸してください。」
「え、俺激しく貸したくない。」
「大丈夫です触っただけで移るような病気とか持ってないから。」
「カビとかはえねぇ?」
「生えないに決まってるじゃないですか。さっさと貸さないとズボン脱がせたあげく、もうハァハァなポーズで写真撮りますよ!ハァハァ」
「わかった貸すから辞めてくれ!お嫁にいけなくなるだろう!」
「ちっ」

は全員から受け取ったラケットに、一枚ずつお手製のお札を張り出した。

「ただのラケットじゃ幽霊さんを殴ろうが叩こうが効かないと思うんです。でもこうやってお札を貼っておけば多少なりとも効果は期待できるかと。・・・はい!出来ました!」
「なるほどな。」
「さっすが私!!ナンテ素晴らしい発想!ね?リョウタン」
「だから俺に振るなって!」
「だってなんか、リョウタンってジャッカル君みたいだし。」
「ジャッカル?」
「あ、ううん。なんでもないんですわよ。さささ、出発しましょう!」

そう言ったは先陣をきって扉に手を掛けた。






「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「なんか来てるやん!頭になんかブッ刺したまんまめっさ走って来てるやん!!」
「おい、お前オタクなんだろ!?どうにかしやがれ!」
「むちゃ言わないでぇ、こんな非力な乙女に何させようとしてるんですか!ヤンッ」
「あぁぁぁぁ、お前のそういうとこほんとムカツクぜぇぇぇ!!」
「大丈夫です、宍戸さんはどんなことをしてでも俺が必ず守ってみせます!」
「長太郎が言うとホンマなんでもやりそうで恐いわ!」
「はは、忍足先輩ですら殺せそうな自分が恐いですよ。」
「なんか幽霊よりおっかないのおんねんけど。俺死んだら真っ先に長太郎疑ってや!」
「安心してください!オッシーが死んだらこの紫色の脳を持つ私がちゃんと捜査しますから!」
「お前のはただの腐った緑色の脳だろうが!」

部屋を出て暫く一階の玄関ホール周辺をうろうろしていたチームは、突然出てきた父親だと思われる霊に凄まじい勢いで追いかけられていた。
猛ダッシュで逃げる中も漫才を繰り広げる4人に、夢ちゃんは若干冷めた目を向けている。

それまで先頭を走っていたのスピードが落ち始めた。
後ろを追いかけてくる父親の霊を振り切れないままさっきからぐるぐると一階を走っていたのだが、
運動部でもないには流石に全力疾走はこたえたのだ。

しっかり走れ!!」
「むっ・・・無茶、いわ・・・言わないでぇぇ・・・」

さらにのスピードは落ち、ついに列の最後尾に。

先輩。逃げ切れたらご褒美として日吉の使用済みタオルと、忍足先輩の眼鏡さし上げます。」
「んどりゃぁぁぁぁぁ!!バァーニング!!」
「お前の釣りかたうまいんだな・・・」
「なんや微妙な気持ちなんやけど・・・」

鳳の一言での減速していたスピードが一気に持ち直した。
そして同時にひらめいたように表情を明るくした。

「確か食堂と大ホールが仕切りで繋がってましたね。」
「せやけど」
「よし、皆さん私にいい考えがあります!」


父親の幽霊は目の前で二手に分かれたたちに一瞬動揺した。

「やーいやーい!お前のおかん、デベソやろ!!」

が、似非関西弁を喋る忍足の挑発にプッチンしてそちらを追うことに決めた。

「お前幽霊にその挑発の仕方はねぇだろ・・・もっとあるだろうが普通。激ダサだぜ」
「そないなことゆうんやったら、お前がやれっちゅうんじゃ!俺かてこんなダサいことしたないわ!!」
「誰もやれなんていってねぇだろ!」
の目がそう訴えてたわ!関西人のクセにシケたことしたら承知せぇへんでっていう目、お前耐えられんのかいな!」
「知るk「俺はムリや!関西人のプライドにかけて!しかも、出来ひんかったらアノいやらしい目で俺犯される!」・・・お前俺にも喋らせろよ・・・」

そうこうしているうちに目的地の、食堂のすぐそこまで来ていた。
ここまでは狙い通りだ。
父親の霊もちゃんとついてきている。

「よし!入るで!!」
「オウ!」

忍足と宍戸が食堂に入る。それを追って父親の霊も。
しかし、父親の霊は気付く。先ほど食堂に入っていった二人の姿がどこにもないことに。
その代わり背後で扉の閉まる音。

父親の霊は完全に食堂の中に閉じ込められた。


「いやいや、うまくいきましたなぁ!さっすが私!考えることが人とは違う!」
「確かにいろんな意味で先輩は人とは違いますけど・・・そこはあんまり喜ぶところではないと思いますよ。」
「ヤン、チョータローったら!素直になっちゃいなYO」
「アカン!今なんかスイッチ入った!黙っとき!」
「抑えろ長太郎!ここは大人になれ!」
「おねぇちゃんたち、少しは危機感を持とうよ?」

父親の霊が閉じ込められている食堂の扉に手作りお札をベタベタ張りまくっている
長太郎の出す真っ黒のオーラになんて微塵も気付いていない。

「・・・大丈夫です宍戸先輩・・・俺、危うく違う世界の扉開きかけました・・・」
「お、おう、そうか・・・何の扉はあえて聞かないでおくよ。」
「え、何の扉開こうとしてたんですか?ま・さ・か、ホモ?」

は忍足の制裁によって黙った。

「しかし、まぁ今回は助けられたぜ。」
「せやな、今回は、な」

なんでかんで言って、今回はのお手柄といっていい。
仕切りで繋がっているホールと食堂。あらかじめ仕切りを出しておき、
そこにコレでもか!という程手作りお札を貼る。
仕切りといっても扉のようになっているので容易に破れるものではない。
そこに霊をおびき出し、おとり役はすばやく仕切りを外側から閉める。
あとはスタンバイしておいた残りの二人が食堂の扉を閉じお札をベタベタ張れば完了だ。

「お札の効き目はどれくらい続くかわかりませんので、今のうちにちゃっちゃか探しちゃいましょう。」
「おうよ!言われなくとも」

しかし、安心したのはつかの間。どこからともなく唸り声が複数聞こえてきた。

「どうやら宝探しはもうちょっと先になるようですね。」
「なんやねん!こっちははよ帰りたいちゅうのに!」
「てか、ここにいる幽霊って4体じゃなかったか?」
『・・・』
「どうやらまだまだいっぱいいるようですなぁ〜ぐへへ」
「なに嬉しそうにしてやがんだよお前は」
「だって楽しいんだもぉーん!!」






あとがき

パピーはね、とってもダンディーな殿方なんですけどね。