ピンクのネオンが煌く真夜中のホテル街。

そこに夜な夜な現れるという・・・女の霊・・・






ちょっとだけよお化け








朝練も終わり各自自分の教室のへ戻った頃、立海一の問題児の声が校内に響き渡った。

「やーなーぎーくーん!!ぶーんーちゃーん!!ビ、ビ、ビ、ビッグニュースがあるのだよぉーどこにいるのですかぁ〜!?」

どうやら彼女は最近開業したばかりのミステリー探偵団、団員の柳と丸井に用事があるらしい。しかし、強制的に団員にならざるを得なかった二人は出来るだけと係わり合いを持ちたくない。だから二人はの声を聞いてぎくりと体をこわばらせた。

「あ、柳君はっけーん!きゃっ、愛の力ですわねア・ナ・タ!うへへ」
「はぁ・・・で、用件はなんだ。手短にしてくれよ」
「やだなぁ〜ノリが悪いですよ?倦怠期の熟年夫婦かッ!よし、こうなったらお色気で。」
「乳を出すな乳を。お前の貧相な乳に興味を持つやつなんて、95%真田と赤也しかいない。」
「失礼ですね、コレでもDはありますよ!最近ブラがきつくなったからおっきくなったのかも!!」

勢いよく5組に侵入してきて、この時間帯に相応しくないノリで話だしたに回りの目は白い。あっという間にの周り3メートル以内から人がいなくなった。

「で、用件はなんだ?」

柳が半分切れ気味にそう聞くと、は無駄にやらしーにやにやわらいをはじめて、嬉しそうにこう告げた。

「今日の夜は幽霊探しですぞよフォッフォッフォッフォッ」



現在お昼休み。屋上で真田の雷が落ちた。

「このばっかもーん!!幽霊探しだかなんだか知らんが、夜中にホテル街へ行くなど言語道断!正義の鉄槌を食らえ!!」

もちろん雷が落とされたのはで、真田の拳骨を食らってピーピー泣いている。

「酷い、酷すぎるじゃないですか!女の子を殴るなんて〜」
「お前があんなことを言わねばいい話ではないか!」

あの話とは今朝が柳に言っていた事だ。

「幽霊探し」

コレが普通の幽霊探しならまだここまで真田を怒らせることはなかったのだが、なにせ探しに行く場所がアレだった・・・

ネオン煌くホテル街

「だってだって、そこにお化けがいるんですもんしょうがないじゃないですか!!」
「断じてそんなところに幽霊はおらん!!まかり間違っていたとしてもそんな破廉恥な霊に近づくことはゆるさんぞ!立海テニス部の恥だ!!」
「いーまーすー!ラブホで殺された女の霊が、色仕掛けで男を騙して殺そうとしてるんですー!!まさに悪女ですな〜名付けて『ちょっとだけよお化け』!!コレは幽霊がちょっとだけよ〜と言って男を誘うことに由来しています。」
「か○ちゃんかッ貴様は!ギャグが古い、今は『ちょっと、ちょっとちょっと!』だろうが!」

それも微妙に古い・・・

一触即発の二人の間に幸村が割って入った。

「まぁまぁ二人とも落ち着きなよ。」
「だってー!真田君絶対自分が誘われなかったから怒ってるんですよ。ホントはホテル街に行きたかったんですよ〜」
「なっ、なんだと!!」
「べー、だ!いろっぽーい熟女としっぽりしたかったんだろ?え?」

ちゃん!!
俺だってデンジャラスなおねぇちゃんたちと、全面鏡張りの部屋で、アハンなことやウフンなことしてイヤーンってしたかったんだから少し黙ろうか?」

一瞬にしてその場が静まり返った。

「とにかくね、俺達はまだ中学生で、そんなとこにいくのは相応しくないって事。いいかい?ヤル場所ならそこらにいっぱいあるんだからね。」
「・・・わかりました。一言多いような気がしますけど・・・」





「どぅはははははは!そんな素直にゆうこと聞くとでも思ったかこの戯けがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!あたし一人だって行ってヤルもんねぇー」

夜の9時。の姿はホテル街にあった。色とりどりに輝くライトが、背も低くておまけになんかわけわかんないキラキラしたキャバ嬢みたいな服を着た、ちんちくりんなを照らしている。

「めげない、くじけない、あきらめない!みーんなに断られたって、幽霊いるならどこへでも〜♪さん、なぜ君は幽霊を探すのかね?はははそれは、そこに幽霊がいるからさ。どぅどぅん!語録!!」

上機嫌のは作詞作曲、おまけに一人芝居なんかもしながら幽霊を探して歩く。しかし、賑やかなホテル街にそんなじめじめしたものの姿は見つからない。

その変わりにおかしなものが見つかった。

「ここがホテル街ですか・・・な、なかなか、華やかなところですね・・・」
「ウ、ウム。未知の世界だな・・・たまらんッ!」
「あー!!!真田君と柳生君!?」
「「ゆ、!?」」

まるで違和感なく溶け込む親父二人。誰も中学生などとは思わないだろう。

「ははーん。そういうことですか。やっぱりしっぽりしたかったんですな?やだねー。しかもムスカ君、君もかね?」
「だ、誰がムスカですか!?だいたい私は真田君に無理矢理!」
「何をいう柳生!お、お前から行こうと誘ってきたのではないか!」
「はいはい、落ち着きたまえよ君達ははは。やっぱり欲望には素直ですね〜」
「ち、違うのだ!別に・・・」
「皆までいうな。わかってますよ、誰にも言いませんって〜」
「本当ですかさん・・・」
「その代わり、幽霊探しに付き合ってもらいますよ?」


それからたちはあっちこっち探し回った。

「な、なんと破廉恥な!?この写真の女、む、胸がポロリではないかッ!?」
「いけません、女性としてこのような事・・・しかし・・・そ、そそられます」
「わーボインだボイン!!」

ある写真の前で立ち止まっては、目を覆った指の隙間から覗いてハァハァしたり、あやうく違う世界の扉を開きかけた真田を抑えたり、柳生がSの血を開花させム○カ大佐に変身しそうになるのを止めたり、色々と大変だった。

そして、たちがある古ぼけたホテルを通り過ぎたとき、ソレは起きた。3人の背後に呟くようになにやら声を掛けられたのだ。

「ちょっとだけよぉ〜・・・」

ギクリッとした3人は互いに目配せして、ゆくりと振り返る。

そして見てしまった。
真っ白な髪の毛、深く刻まれたしわ、ところどころ抜けた歯を見せる赤いくびる、曲がった腰の幽霊・・・と、見間違ってもおかしくない80歳は超えているであろうおばぁさん。

「ちょっとだけよぉ〜」
「「「・・・・・」」」

「もしかして幽霊の正体って・・・」
「こ、このおばぁさん・・・?」
「99.8%の確率でな・・・(柳のマネ)」

「こんなオチなんですか・・・?」


ホテル街に現れる変態ばぁさん
どうやらコレがちょっとだけよお化けの正体らしい。



次の日、ホテル街に行ったことが幸村にばれてこってりと搾られたのは言うまでもない。もちろん、ちょっとだけよお化けのことも聞かれたが、3人はあえて何も話さなかった。

だってまさかよぼよぼのおばぁさんを幽霊と見間違えた、ただのデマだったなんて・・・


「あ゛あ゛ぁ゛!!一生の不覚ッ!話の真相を見破れていなかったなんて・・・・真田君、柳生君、是非御内密にお願いいたしますよ!!」















あとがき


真田君と柳生君があせる姿に萌え
2008/06/11