決戦当日

大丈夫、私はやれば出来る子なんだから!!






初めてのおつかいの巻・続







放課後、榊太郎(43)に預かった書類を鞄に詰め込み、一応部活に顔を出してから校門を出た。 チクしょー行きたくない!!ノロノロノロノロ。多分ここに弦兄がいたらひっぱたかれるな、 とか思いつつ 歩く。

今日は決戦の日。

何が何でも弦兄にマネ業がバレちゃいけない。アレで結構な過保護・シスコンな弦兄のことだから、 あんなテニス部と関わってるなんて知ったら、真剣を奮いかねない。

それは何が何でも阻止せねば!!

だって人殺しの兄を持つなんて絶対嫌だ!しかも絶対あたしに飛び火する!

それから蓮兄にだってバレちゃいけない。弦兄みたいに暴れることはないだろうけど、 あんな先輩達と関わってって同じ人種だと思われるなんて真っ平ごめん!(←失礼)


電車に揺られること○時間。いつもの改札口を出ていつもの風景。すでに目からは大量の涙。 あぁ、そこのおばぁさん変な人を見る目で私を見ないで!!





「うわぁ・・・来ちゃった・・・」

ドガーン!と目の前に広がるデカイ校舎。 氷帝よりはもちろん小さいけど(あそこは無駄に部屋があったりするから)、 それを感じさせない威圧感がある。

学校についてからの指示は、書類を届けること以外受けていない。 だから書類さえテニス部に渡ればいいわけで、私が直接テニス部に手渡さなければいけないわけじゃない。 つまり、誰かその辺の人捕まえてテニス部まで届けてもらえばいい。
あたしマジで頭いいんじゃないかな!!

「よしよしよし、あとは誰に頼むかだよね。」

一番に考えたのは先生。だけどその辺にプラプラしてる先生なんてあんまりいない気がするし、 だからといって職員室に行こうものならお兄にばったりなんて可能性が出てくる。出来ればそんな危険は冒したくない。 なら学校から出る・もしくは入る生徒はどうか。あれ?でもこの時間下校する生徒はとっくの昔に出てるはずだし、 部活をやってる生徒なら学校を出るなんて事もない。・・・ダメじゃん!!現に人いないし!

じゃぁどうすればいいんだよ、マジウンコだな。やっぱり直接行くしかないじゃん。どこまで人を苦しめたら気がすむの太郎(43)は!!

「どいつもこいつもなんでそうあたしを困らせたがるのかなぁ!!」
「お、お前もずいぶん苦労してんだな。」

突然掛けられた声にギョッとして後ろを振り向くと、 そこにいたのは・・・味付け卵?え、まさかだよね!?

「お前今失礼なこと考えただろ。」
「ま、まさかめっそーもございません!!」

「お前も」とか言ってたあたり、もしかするとこの人も同じ苦労人仲間かな?あ、両手におっきなコンビニ袋・・・哀れ味付け卵。

「その制服氷帝か?何しに来たんだよ。」
「え・・・あぁ・・・まぁ色々と・・・」
「聞かない方がよかったか?」
「そんなことないです・・・あなたとは苦労を分かち合える気がするので・・・」
「マジかよ。俺もお前は他人と思えねーよ。あ、俺ジャッカル・桑原な。3年だ。」
「あ、私真田です。氷帝の1年生です。」
「で、どうしたんだよ。こんなとこで立ち止まって。何か困ってんなら出来る範囲で協力する。」

マ、ママー!!ここにも天使が!樺地先輩に続いて心のオアシスがいます!

「あのーでしたら、頼みたいことがあるんですけど・・・これをテニス部の部長に渡して貰えないでしょうか?」
「真田に?」

なにやらジャッカルさんお兄のこと知ってる系?お兄こんないい人にまさか迷惑かけてないよね?

「いいけど、どうせなら直接本人に届けた方がいいんじゃねーか?連れてってやるぜ。テニスコート。」
「い、いえ!そんなまさか!出会って間もない方にあんな暴君のところへ案内させるわけに行きません!!」
「暴君って・・・これ届ける時点で真田に会わなきゃなんねーし。同じことだろ。いこーぜ」

ジャッカルさんいい加減察してくれ!遠まわしに行きたくないっていってんじゃん!それともあんたのお国では嫌がらせがスキンシップの一部なのかぁ!! 涙出るわ、ちくしょー!!

「何してんだよジャッカル!おっせーから迎えに来てやったぜぃ!・・・って、あれ?」

ジャッカルさんと楽しく(?)押し問答をしていると、赤い髪の毛の男の人が現れた。ガムをクチャクチャやってる。 おいおいなんなの、なんでが美形がやってくるの?なんで脳みそに回るはずの栄養が、全部顔面の形成に消費されちゃった残念な人が現れるの?(←失礼) いやいや、もちろんあたしも思春期の乙女ですからゲッフンゲッフンしちゃうけど、やっぱり話し合いするなら多少顔がイマイチ君でも、頭のまともな人がいいわけよ。

「ジャッカル、お前部活サボって女引っ掛けてたのかよ。」
「ち、ちげーよ!」

ちょうどジャッカルさんの影にいたわたしを発見してその人は声を掛けてきた。

「泣いてるみたいだけどダイジョブか?俺丸井ブン太。シクヨロ☆」

シ、シクヨロ!?世の中には色んな人がいるものよのぉ〜。そんなことを考えていると、目の前に飴玉が2つ差し出された。

「これやるから元気出せって!」

ブッ!!ここにも思わぬ伏兵が潜んでおったわい。ゲッフンゲッフン

「さ、真田と申します・・・」
「こいつ真田に用あるんだって。だから連れてってやろうと思ってさ。」
「ふーん。じゃ、いこうぜ」




はっ!?




丸井さんが右腕を、ジャッカルさんが左腕をがっちりと掴む。 待て待て待て待て!待て、あんた等どんだけ優しさひねくれてんの!?ここまで来るともう優しさじゃないよね!嫌がらせとしか思えないんだけど。 なんであたしはこーもややこしい人たちと係わり合いになっちゃうんだろう。もうこれある意味特技だよね?

ほんとにマジで勘弁してよ!!







あとがき


次回修羅場!!(嘘)