やべぇぇぇ!?
テスト勉強しようと思ったのに学校に辞書忘れたぁぁぁぁぁぁ!!
(あのマーカーだらけのね)
もう一人のお兄ちゃんの巻
私の頭なんかじゃどう考えたって、毎日コツコツやらないとテスト範囲全てを理解することは出来ない。
この頃、弦兄は私の顔を見るたびグチグチ言ってくる。
まるでごつい姑だよ!
そのうち「あら、。ちゃんと掃除しまして?ここにこーんなにゴミが。」とか言い出さないか心配なわけですよ。
だから、ちゃんと勉強して見返してやろうと一番苦手な国語の教科書を開いたはいいんだけどね、
わかんない言葉だらけなんですよ。
で、ここはマーカーだらけの辞書に活躍してもらおうと鞄の中を漁ってみて
おいぃぃぃぃぃ!!辞書ねぇぇ!!
みたいなね。ちゃんと入れたと思ったのになぁ。
「しょうがない・・・弦兄に借りよう。」
一階に下りると玄関に見慣れない靴が綺麗に置いてあるのが目に止まった。
お客さんかな?家に誰かが来るなんて珍しい。
さっきまで寝てたから気付かなかったなぁ
なんて思いながら弦兄の部屋へ行こうとすると、
茶の間から弦兄と誰かの話し声が聞こえたので、とりあえずそちらに足を向けた。
「あのさ、辞書貸してもらえませんか?・・・アレ?」
お客さんのいる茶の間に顔を出した一発目がコレだなんて、なかなか常識がないな自分。
茶の間にいたのは弦兄となんとなく見たことがあるようなないような糸目の男の人。
その人はあたしを見ると「やぁ」と右手を挙げた。
「あ・・・もしかして蓮兄?」
「よくわかったな。」
その瞬間、嬉しさのあまり顔がにやけるのが自分でもはっきりとわかった。
蓮兄は近所に住む弦兄の同級生で幼馴染。
昔から体も気もちっちゃかった私は、厳しい弦兄よりも蓮兄に引っ付いて歩いていた記憶がある。
とにかく蓮兄が大好きだったし、蓮兄も一度だってあたしを邪険に扱ったりしなかった。
誰かさんみたいにね。
でも、そうやって金魚の糞生活を送っていたのも小学校4年生ぐらいまでで、確か私が自分から離れていったはず。
蓮兄はいつだって私のことを待っててくれてたけど、やっぱり子供ながらに引け目を感じたんじゃないかな?
私ってなんて謙虚で可愛らしいの・・・って、やばいなちょっと跡部先輩の自意識過剰が移ったかも・・・
思えば「おっきくなったら蓮兄と結婚するぅー」って騒いでお父さんとか泣かせてたな・・・
あの頃は青かったよ。ほんと
「久しぶりだな。ずいぶん大きくなったじゃないか。」
「う、うん!」
蓮兄の大きな手が私の頭を撫でる。こうやって貰うのは昔から大好き。
「横にな。」
「うるさいな!老け顔のクセに。話に混ざってこないでくださいー」
「見ただろう蓮二。でかくなったのは横幅だけでなく態度もだぞ。」
「そんなことない!馬鹿ッ」
「弦一郎もも落ち着け。まったく、昔となんら変わっていないな。」
そういって蓮兄は笑う。
あ、こういう雰囲気好きだなぁ・・・
まるでいつも3人で遊んでいたあの頃にタイムスリップしたみたいで、自然と笑みがこぼれる。
いつも眉間にしわを寄せている玄兄ですら、どこか楽しそう。
それからの時間はあっという間にすぎて、もう夕方。
帰らなくちゃならない蓮兄を見送るため3人で玄関まで向う。
「。家も近いことだしこれからは気軽に遊びにくるといい」
「い、いいの?」
「あぁ。待ってる。」
なんだか無性に嬉しくて、胸がポカポカする。
「じゃぁ家にもまた遊びに来てね?」
「あぁ、これからは弦一郎に用がなくても、のところに遊びにくるよ。」
「蓮二に迷惑になるようなことはするなよ。」
「するわけないじゃん。弦兄こそ、いつも怒ってばっかりいて蓮兄に迷惑かけないでよね。」
「蓮二、が何かしたら有無をいわさず殴れよ。それでもダメなら俺が斬ろう。」
「安心しろ弦一郎。少なくとも俺の前でが殴られざる得ない状況になることはまずないだろうからな。」
「ほーらね!!大体そういう発言がもう迷惑なんです〜てゆうか老け顔が迷惑なんです〜グエッ!!」
ちくしょ〜今回は殴られたけど、そのうち弦兄を跪かせてやる!!
あれ、S開花発言?
「じゃぁ、弦一郎」
「また明日学校で。」
「気をつけて帰ってね?」
じゃぁと手を上げて帰っていく蓮兄の姿が見えなくなるまで手を振り続けた私たちの後ろには、
おっきくて優しい夕日がキラキラと微笑んでいた。
あとがき
兄ちゃん欲しい!!
これからは弦米のキャラを雪崩のごとく崩していこうと計画中。