まゆちゃんになんで私を置いて逃げたの?って聞いたら

「所詮人間皆自分が可愛いのよ」

って、遠い目をしてた。

友情を疑っちゃうんだけど・・・



金髪の眠り王子覚醒の巻





なにやってんだ、ぐずぐずしてんじゃねぇ!!」
「ただ今!!」

「何回言ったらわかんだ。それはそうじゃねぇっていってんだろうが。」
「すみません!!」

部活が始まってからわたしはあっちに行ったりこっちに行ったり。
どうせこき使われるなら私シンデレラになりたい。
ほくろ・・・じゃなくて跡部先輩はスパルタで、とてもじゃないけど耐えられない。
一応マネージャーの仕事は教えてもらったけど、敏腕マネージャーでもない私にはすぐにホイホイできるような仕事じゃない。
こういうとき、無性に自分の平凡さが悲しくなる。
普段は平凡が一番なんていってるくせに、こういうときばっかり、出来ないことを平凡のせいにする。
まったく、ずるい性格だ。


跡部先輩から休憩の声がかかった。部員達はぞろぞろとコートから出てきて思い思いのことをする。
だけど、マネージャーに部員達と同じ休憩は与えられない。
洗濯やらなにやら、まだまだやることがたくさんある。サボると部活時間内に終わらなくなる、と先輩達に脅されているので、影でこっそりなんてことも出来ない。

「うぅぅぅぅぅ、まゆちゃんの馬鹿ぁ・・・アホぉぉぉぉ・・・」

洗濯の終了を知らせるブザーがあまりにも耳障りで蹴っ飛ばしたらヤな音して動かなくなっちゃったけど、しょうがないよ。
乙女は繊細で何事もちょっとやりすぎちゃう年頃があるんだから。

部室の裏にある物干しに洗ったタオルを干しに行くと、芥川先輩が気持ちよさそうに寝息を立てていた。
ちょっと、今部活中なんですけど・・・
たしかこの人お昼休みも寝てたんじゃなかったっけ。

「あの〜先輩・・・せんぱーい・・・?」

居眠り先輩を起こすのもマネージャーの立派な勤めだ!!
しかし、私の呼びかけにも芥川先輩は反応を示さない。
ムキになった私は雑草を引っこ抜き先輩の鼻の穴をくすぐってみる。

「むぅ・・・くすぐったい・・・」

グフッ!!
先生ここに反則してる人がいます!!男なのに可愛いです!!
もう一度くすぐると芥川先輩は寝返りをうった。

悶絶ッ

「ハァハァ・・・落ち着け自分、思わぬところに伏兵が潜んでいた・・・危うく鼻血ブーだったぜ・・・」

私は洗い立てのまっさらなタオルを一枚、洗濯かごから取り出し、それで先輩の鼻と口を覆った。
別に殺そうってわけじゃないんだよ!!
ただこれが一発だってことを実践で知っているからやるだけだから!!

「んぅ゛〜苦しぃ!!」

たまらず先輩は飛び起きた。ふふふ、今日のところは私の勝利だな。

「君がやったの?ひでーC−」
「うっ・・・」

ちょっと誤算だ。まさかこんな可愛い顔で睨んでくるなんて・・・

「いやあのすみません・・・もう部活始まっているので起こさなくてはと思って・・・」
「えっ!?マジマジ?やっべーじゃんあとべーに怒られる!!」
「今日機嫌悪いですよ、私のせいで。」
「えー君なにやらかしたの?ってか、君誰?」
「あ、すいません、わたし1年の真田です。ちょっと、ほんとちょっと若気の至りっていうか、そーゆー感じのことやらかしちゃって、強制的にテニス部のマネージャーさせられてるんです。」
「ふーん、君変わってるねぇ〜」

ポカポカ陽気。私も先輩もだんだん眠くなってきた。
このまま寝ちゃいたい・・・・

「って!!先輩部活!!」
「え〜まだ眠い」
「私だって眠いですけど、跡部先輩にひき肉にされちゃう!!」
「流石にあとべーだってそこまでしないよ。」
「しますよ視線で!!」
「まじかよ、あとべーって超人だったの?たしかXメンにそーゆーのいたC−」
「それもう、ひき肉どころか骨も残らないですよ、お骨拾ってもらえないなんて、やです!!早く戻りましょう!!」

私はさっさと洗濯を終わらせてしまおうと勢いよく立ち上がった。しかし、右手をぐいっと芥川先輩にひかれて地面にしりもちをついてしまった。

「な、なんですか!?」
ちゃんなんかいい匂いするC−」
「ぎゃぁ!!」

先輩は頭狂ってるんじゃないだろうか。
私の首筋の匂いをくんくんとまるで犬のようにかぎだした。
ふわふわの先輩の髪の毛が頬や首をくすぐる。
たぶん今の私の顔は真っ赤だ。

「ちょちょちょ!!誰かに見られたら誤解され・・・」
「なんか香水とかつけてるの?ちょーいい匂い」
「いや、あの聞いてます・・・?」

なおも私の匂いをかごうとする先輩は完全に私に抱きついた形となっている。
これ、まず間違いなく部室裏でイチャイチャするカップルだと思われるはずだ。わたしだって夢見る乙女だから、こういうトキメモ的イベントは鼻血出ちゃうくらい嬉しいんだけど、そのなんていうか・・・あの・・・

そのとき、背筋に冷たいものが走った。
周りの空気まで冷たい。というか凍ってる。
これはアレだね、間違いなく俺様のおなぁーりぃーっていう

「貴様等〜部活サボって乳繰り合ってるとはいい度胸じゃねぇーか。」

地を這うような声。
もう彼はダースべーダーだよ。今にもライトセーバーで切りかかって来るんだよ。

「あ、あとべー!!聞いてよちゃんすげーいい匂いするんだ!!」

まだいいますかこの子はッ!!空気読めないの!?

「あ、あの先輩コレにはわけが・・・」

「問答無用だ!!お前等校庭20週。マネ業は明日から倍あると思え!」
「えぇ、そんな私だけ!?」





こうして、部活一日目は終わるのでした。








あとがき

ウキドキイベントだね★
これからもいろんな王子さまたちに執着されていきます。