地獄の身体測定の巻き・続
鳳先輩達と別れた私の前にひょっこりとまゆちゃんは現れた。
その顔には満足げな笑みが浮かんでいる。
そうか、いい写真が撮れたんだね。
「さ、次は聴力と座高測りにいくわよ。」
向った先は3年生の教室。
すでに嫌なと予感が・・・
「あ、ちゃんじゃない。」
ホラ来た。氷帝の大魔王。
綺麗な顔をして腹のそこでは氷帝を手中に収めようと企む大魔王。
(すでに手中かもしれない)
掛けられた声に振り向けば、やはりそこにいたのは笑顔で手を振る滝先輩。
7話の続編にして初登場のなかなか可哀想な先輩だ。
その後ろには宍戸先輩がいる。いるっていうか・・・従えている?
宍戸先輩はまだしも、滝先輩と会ってしまうなんて・・・
「まゆちゃんどうしよう・・・って、いないし!!」
例によって例のごとく、どこかに消えうせたまゆちゃん。多分近くに隠れてはいると思うんだけど・・・
いくら少々ましな宍戸先輩が付いていようと、魔王を止めるには役不足。
一人で乗り切れる自信ないよあたし
「まぁ確かに宍戸じゃ役不足もいいとこだよね。」
「ギャッ!心読まれた!!」
「お前等本人の前でゆうかよそんなこと・・・」
つくづくここに鳳先輩がいなくてよかったと思うよ。
だって、私が宍戸先輩とはなしていると何でかんで理由をつけてあの真っ黒なオーラで脅しをかけてくるんだもん。
しかも腹黒の二つ巴なんて・・・
と、ゆうことで、滝先輩と宍戸先輩の後に続いてはじめに聴力を測ることに。
「俺次でいいや。先やれよ」
「え、先輩?」
ちょっと、あんたなんてことを!?聴力を一度に測れるのは二人。
自分が滝先輩と測りたくないからって、あたしに押し付けたな!?
まともな先輩だと思ってたのに・・・
とんだチキン野朗だよ。まったく
私のそんな思いを知ってかしらずか、バツの悪そうに目をそらす宍戸先輩。
(なんで滝先輩を押し付けるんですか!?あたしを殺す気なんですかっ?)
(悪い・・・俺・・・滝がこの世で一番おっかねぇーんだ!!)
(わ、私だって同じですよ!!いいじゃないですか、先輩達は同級生なんだから!)
(馬鹿言ってんじゃねぇーよ!あいつは赤ん坊だろうが年寄りだろう容赦しねぇーんだぞ。
同級生だからってどうなるってモンじゃねぇーんだ!)
(ならなおさら私なんかダメじゃないですか!もう一ひねりですよ!米粒を潰すかのごとく一ひねりです!!)
(大丈夫だぜ・・・お前滝に気に入られてんだから。任せたぜ?あいつ初登場が遅すぎるって機嫌わりーんだ)
(いやぁぁぁぁぁ、まだ死にたくないィィィィィ)
「大丈夫だよ、僕だってこの歳で人殺しはしたくないからね。」
心読まれた!?
「うん、全部ね。」
真っ青になる私と宍戸先輩。全身の穴という穴から汗が噴出す。
その笑顔がやたらと恐ろしい。
「宍戸は俺のことが一番恐いらしいから、行こうかちゃん?」
「はっ・・・はい・・・」
「じゃぁあとでね宍戸。俺達の次に逝くんだろ?」
つまり、自殺しろよってことですか?
魂の抜け切ったような宍戸先輩に背を向け歩きだす滝先輩。でも私の足はなかなか進まない。
だってなんか踏み入ってはならないようなところに連れて行かれそうじゃん。
そんな私に滝先輩は素晴らしく真っ黒くて美しい笑顔を向けて、
「そんなとこで止まって。もしかしてちゃんも逝きたいの?」
この人本気(と書いてマジと読む)だっ!?
そのあとの測定は地獄だった。
聴力を測っている時は、隣にいる滝先輩の人をも殺せそうなオーラと呟きで小さな音は聞き取れなかったし、
座高の測定では短足と笑われ。
結局耐えられなくなった私は泣きながら逃げて、待ち構えていたまゆちゃんに確保された。
そういえばヘタレ宍戸先輩は大丈夫なんだろうか・・・
まぁどうなったって自業自得ですけどね。
次は体重・身長の測定
あとがき
初登場滝君。すみませんね・・・