04
「赤マント事件?」
「うん。ここの生徒はそう呼んでるよ。」
それは、が転校してくる二週間前から起こっている事件だった。
被害に会ったのはコレまでで4人。遅くまで校内に残ってい生徒だ。
不気味な足音とともに背後から何者かに忍び寄られ刃物のようなもので切りつけられる。
襲われた生徒はみな口を揃えて赤いものが翻るのを見た。
というそうだ。
だから「赤マント」と呼ばれる。
ここまで説明してコート内にいた誰もが息を呑んだ。
「って、わけなんだ。」
「ここの学校は見たとおり職員室の近くに昇降口がある。人の出入りは丸わかりだ。
しかも、防犯用のカメラも回ってる。関係者以外の犯行ではまず87.6%ありえない。」
「だからといって学校関係者ってのも、怪しいんスよ!!」
「事件が起きた時の防犯カメラの映像を見てみても、そのとき学校にいたと思われる生徒と先生、
襲われた生徒全員が一つも疑わしき動きをしていないことが証明されています。」
「つまり、外部からの侵入者でもない、生徒や先生でもない何者かが学校内に潜んでいるということになるんじゃ。」
「な、おかしいだろィ?」
「幸い襲われた生徒はみなかすり傷程度ですんでいるものの、これ以上の被害が出れば学校の存続にも関わってくるのだ。」
「・・・んでよ・・・一部の生徒の中でまことしやかに囁かれてる噂ってのがあってよ・・・って、聞いてるか・・・?」
ジャッカルはさっきとはの様子が明らかに違っているのに気付いた。
俯き、スカートの裾を握り締めて、小刻みに震えている。
いくらそういう類の話が好きといってもちょっとリアルすぎて脅えさせたかと皆に目配せした。
ジャッカルが、女の子だしな。との肩に手を掛けようとしたとき、
突如はウヒョー!!なんぞと奇声を発しながら勢いよく立ち上がった。
その拍子に哀れにもジャッカルは強烈な頭突きを食らってしまい、地にひれ伏した。
「ミッ、ミステリー!!不思議ミステリー!!」
「おっ、おい・・・」
「面白い、実に面白い。
お母さん、お父さん。今は幸せです。」
みんなドン引き。がそういう類に興味があるとわかってて話したけど、どうやら相手を間違ってしまったらしいと感じた。
でも、もう遅かった・・・
「皆さん、コレは現実には理解しがたい事件です。非常に難しい。そして奇妙だ。姿の見えない犯人がいる。
しかし、立ち上がらなければならない。人任せにしてはいけない。なぜならコレは私達の学校で起きている事件、つまりは私達に起きている事件だからです!!
さぁ、今こそ立ち上がるときです。ゆくぞ、立海ミステリー探偵団!」
一人で突っ走るは周りの静止を受け流し、あくまでわが道を行くのでした。
もう、皆もわかっているので止めることを止めました。
「ここで、整理しておきたいことが3つあります。
誰も犯人を見ていないこと。犯人がどうやって侵入したかわからないこと。
そして、襲われるのが必ず夜、しかも3階2年塔の近くであるということです。」
キュキュキュと、音を立てながらはホワイトボードに書き込んでいく。
あれから、諦めたレギュラー陣はホワイトボードを背に置いたを中心におき、
自分達はそれを半円で向かい合い囲むような位置についた。
コレではまるで授業風景だが、もちろん見てわかるように、これは「赤マント事件」解決へ向ける会議。
・・・わかるはず・・・
「せんせー」
「はい、仁王君なんでしょう。」
「なんで、スーツ着て眼鏡かけてえらそうにしてるんですかー?」
「あら、おわかりぃ。これ、女教師のコスプレざんすの。オホホホホホホホ」
『・・・・』
はコスプレマニアでもあった。口調も忠実に再現する。
「襲われるのが夜というのは当たり前すぎるような気がするのですが」
「あ、おれも思ったッス。普通そーゆー犯行って夜起きんのはあたりまえじゃないんスか?」
「すばらしい!!わたくしその質問待ってたんですの。」
「どーゆーことかな?」
「聞きたいですか?」
「何をもったいぶっているのだ。さっさと教えろ」
「うふふ、それはですね大体犯人の予想が付いているからなんですのよ。」
「マジかよ!?ほんとか!?」
「えーえー。」
「で、誰が犯人なんだよ!!」
「おーっほっほっほっほっほっほ、犯人はですね
「が、犯人は幽霊だという確立95%」
っておーい!!なにひとの台詞取ってるんですかぁ!!」
「おれはさっきそれが言いたかったんだよ」とかジャッカルが言ってるようだけども気にしない方向で。
やはりみんなこの突拍子のない答えにはため息をつくほかなかった。
「それはちょっと・・・無理があるような気がしますね。」
「そーじゃの。超常現象オタクには推理力がないとみた。」
「えー!!何でですか!?皆さんもその線を疑ってたから私に話してくれたんじゃないんですか!?」
「ちげーだろぃ。オタクっていろんな知識持ってそうだからだろ。」
「まーそーだろうな」
「ちゃん、現実を見ないと。」
「たるんどるから、そういった考えしかできんのだこのたわけ」
「ほんとッスよ。あーあ期待して損した」
今や、の顔はブーたれたアヒル。さっきの元気はどこへやら。
しかし、ひとりだけに同賛するものがいた。
それは、データマン柳である。
「いや、の言っていることを一概に否定することは出来ない。」
「え、なんでッスか?」
「事件の状況から見て、といっておこうか。」
「ほーら、ほら見ろベーだっ!!」
みんなまさかという顔をしている。
「まさか、幽霊なんぞというものを信じているのか?」
「弦一郎、広い世界だ、何があったっておかしくはないだろう。」
柳はそういって真田の肩に手を置いた。
そしてばれないようにチラッと幸村のほうを盗み見て、真田に頷いて見せた。
どうやら彼らには何かあったようです。
「やっぱり、コレは幽霊さんの仕業なのです。そーですねぇー私が考えるに地縛霊ではないかと。」
「地縛霊って?」
「簡単に言えば、死んだ場所から動けなくなった霊のことです。」
「なぜそう思うんじゃ。」
「いや、なんとなく、学校ってそういう感じするじゃないですか。あの有名なトイレの花子さんだって自縛霊なんですよ。」
「まぁ、なんにせよ手がかりを集めないと。明日から聞き込みを始めよう。それと、現場検証もね。」
あとがき
奮闘中